東亜工業株式会社 自動車事業部

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2020 特別賞 東亜工業株式会社 自動車事業部 日本

1. 企業概要

1.1 概要

当社は、昭和24年(1949年)車体板金部品の製造会社として創業を開始。以降、自動車のサスペンション・車体骨格部品メーカーとして我が国の自動車産業の成長と共に着実な歩みで業容を拡大してきた。また、昭和46年(1971年)に当社のプレス・板金加工技術を生かして住宅産業に進出し、現在に至るまで日本の基幹産業である「自動車」と「住宅」の両輪によるバランス経営を確立してきた。更に自動車事業部では、平成12年(2000年)にTOA(USA)を平成28年(2016年)にTOA(Winchester)を北米の新たな生産拠点として設立し、日米でのグローバル経営を構築してきた。

1.2.沿革



1.3.東亜工業 グループ概要

当社の日米の組織体系を以下に示す。

1.4.製造拠点



1.5.自動車事業部 製品紹介

自動車部品の衝突安全性を支える車体骨格部品から、「走り」の愉しさを支えるサスペンション部品まで、高品質で安定生産を行っている。顧客がコンセプトとする「安心と愉しさ」は、世界一を堅持した「衝突安全性」、走行質感・静粛性・剛性(低重心・揺れの少なさ)など「動的質感」を最大の特徴としている。この特徴を支える主要部品を製造しているのが当社である。



1.5-1.衝突安全性を支える車体骨格部品

自動車の骨格部品として機能するピラー・サイドシルインナー・バンパービームなどは、強度と剛性が求められる。これらの部品の開発から量産を担う当社において、部品の強度・剛性などについて、設計時にコンピュータで全てシミュレーションを行い、性能の確保と開発期間短縮を実現している。



1.5-2.「走り」の愉しさを支えるサスペンション部品

自動車足廻りの重要部品であるサスペンション部品には、軽量化と高剛性という性能が求められている。サスペンション部品の剛性を大幅に高めることで、路面からの入力に対応する安定性を高めた走行を実現している。また、近年の環境問題(燃費・省資源等)の観点から更なる軽量化に向けた開発に取組んでいる。

2. TPM活動

2.1.活動経過

当社は、1986年にTPMを導入して以来30年以上、TPM思想を基軸とする体質改善活動を展開している。これまで7つのパートで展開させたTPM活動は、生産の基礎構築から取組み始め、継続と進化を繰り返しながら、課題探求を源流へとさかのぼらせて、開発管理・コスト管理体制の強化を進めてきた。



2.2.TPMパート8概要 「開発提案型企業」

自動車産業の100年に一度の大転換期を迎え、更なるグローバル競争の時代となった現在、業界勝ち残りをかけて活動を展開してきた。 ■特徴的な活動 活動① オンリーワン・ナンバーワンの技術開発による商品開発 活動② 売上と収益の向上を支える地道なTPM活動の継続 パート8を2016年よりスタートさせ、2016年は、マネジメント層の再共育と職制モデルの展開を開始し基盤固めを行った。2017年は、TPM思想を方針管理に落とし込む準備と活動課題整理の期間として方針管理の徹底を図ってきた。2018年7月に特別賞を目指すキックオフを行い、現在に至る。



TPMパート8活動を通し「受注維持・拡大」・「徹底的なロスゼロ活動」により、厳しい社会情勢でも次貢のような活動成果を生むことができた。

3. 成果

3-1.有形効果



3-2.無形効果

今回の活動を通じ、「TPM思想」が全従業員に定着したと実感している。生産現場のサークル活動は以前に比べ活性化され、生産現場の維持管理力も高まった。また管理間接部門の改善活動も以前より高いレベルの事例が出てきている。各活動柱では以下のようなことが挙げられる(代表的なものを示す)。 (1)自主保全 製造現場での生産規模拡大に伴い動員した外国人労働者・技能実習生を巻き込んだ活動により、生産性向上や技能・スキル向上が図れた。また、サークル活動をコミュニケーションのツールとして活用し言葉の壁や文化の壁を無くし働きやすい職場へと改善ができた。 (2)管理間接 TP展開流(理想ロス)の改善活動により、厳しい状況下でもロスを徹底的に廃除することができ、今後どんな経営危機に陥ることがあっても改善し、乗り切る自信を持つことができた。

4. 将来に向けて

4.1.TPM活動の今後の方向性

TPMパート8活動で「開発提案型企業」へと近づくことができた。しかし我々を取り巻く環境は更に厳しさを増していくが、未来永続的に経営を存続させていくため、TPMを基軸した経営を実施していく。 (1)業界の動向やニーズを先取りした技術開発と商品開発による受注拡大 (2)労働力不足の環境に対応したさらなる自動化の推進と現場の維持管理の高度化への対応 (3)設備老朽化と材料高強度化からくる設備故障ロスへの対応